長時間労働、低賃金、休みが取れない、人間関係の悪化など、飲食店での仕事に疲れ果て、やめたいと悩んでいませんか。
本記事では、飲食店をやめたいと考えている人に向けて、やめたい理由や注意点、やめるべきかどうかなどを詳しく解説します。
さらに、飲食業界で労働環境を改善する方法も紹介します。
飲食店をやめるかどうか迷っている人、今の職場に不満を抱えている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
飲食店をやめたい理由
飲食店をやめたい理由は以下のとおりです。
- 理由①労働時間が長いから
- 理由②給料が少ないから
- 理由③休みの融通が利かないから
- 理由④人間関係が良くないから
- 理由⑤常に人手不足だから
- 理由⑥クレームやトラブルが多いから
- 理由⑦体力がもたないから
7つの理由をそれぞれ見ていきましょう。
理由①労働時間が長いから
飲食業界には早朝から深夜まで営業する店舗が多く、長時間労働が一般的です。
長時間労働が続くと、身体が休まらず、疲労とストレスが蓄積されやすくなります。
さらに、厨房や接客の仕事は高いパフォーマンスが求められるため、疲れによってやる気や仕事の質の低下が懸念されるでしょう。
プライベートの時間が確保しづらく、家族や友人との時間も減り、ワークライフバランスの崩れが起きるケースも少なくありません。
理由②給料が少ないから
飲食業は給料が少ないのが理由の1つです。
令和3年の国税庁発表による平均年収を見ると、上位2業種の電気・ガス・水道業が766万円、金融・保険業が677万円と高水準です。
一方、宿泊業・飲食サービス業の平均年収はわずか260万円と約500万円の差があります。
飲食業は上位の業種に2年かけても届かない水準のため、給料が低いから飲食業をやめたいと思うのは当然かもしれません。
長時間労働に見合わない報酬や適切なスキル評価がなければ、モチベーションが下がるのも無理はないでしょう。
参考文献：国税庁 民間給与実態統計調査 〔業種別の平均給与〕 P22
理由③休みの融通が利かないから
休みの融通が利かない特徴があります。
飲食業はアルバイトの比率が高く、欠員が出れば社員がその穴を埋めなければならないためです。
また、離職率の高さから慢性的な人手不足に悩む店舗が多く、休日が取りにくいケースも増えています。
特に、土日祝日や大型連休は繁忙期にあたるため、休みを取るのが難しい状況です。
家庭を持つ人や友人と休日を過ごしたい人にとって、こうした状況は大きなストレスとなり、転職を考える要因の一つとなります。
理由④人間関係が良くないから
人間関係が良くない理由も飲食店をやめたい理由の1つです。
飲食店では、閉鎖された空間でほぼ固定のメンバーと働くため、スタッフ同士の距離が近くなりがちです。
そのため、人間関係のトラブルが起こりやすく、労働時間が長いのも相まって、職場がピリピリした雰囲気になる特徴があります。
こうした環境に居心地の悪さを感じ、やめたいと思う人も少なくありません。
また、体育会系のノリが苦手な人には、飲食店の活気ある雰囲気やテンションについていけないと感じる場合もあります。
さらに、正社員の数が少ない店舗では、アルバイトやパートから距離を置かれ、孤立感を味わう場合もあるでしょう。
飲食業は人間関係の悩みが転職する理由になるケースが多いです。
理由⑤常に人手不足だから
飲食店で働くうえで、常に人手不足だからやめたくなるというのは多くの人が共感する悩みです。
人手が足りないと一人あたりの業務量が増え、長時間労働や休みが取りづらくなり、心身ともに負担が大きくなります。
また、急なシフトの変更や休日出勤も頻繁に発生し、プライベートの予定が立てにくいのもストレスの原因です。
こうした状況が続くとモチベーションも下がり、働き続けるのが辛く感じてしまうでしょう。
自身の職場が常に人手不足で悩んでいるならば、働き方を見直すタイミングかもしれません。
理由⑥クレームやトラブルが多いから
クレーム対応や接客が大きなストレスとなり、退職の理由になる場合もあります。
飲食店の正社員は、自分のミスだけでなく、アルバイトが起こしたクレームにも謝罪する役目を担うケースが多いです。
よくあるクレームとしては、以下のとおりです。
- 待ち時間が長い
- オーダーミス
- スタッフが飲み物をこぼして服を汚した
- 料理に異物があった
以上があげられます。
また、「味が好みでないから料金を払わない」、「特定の食材や調味料を使わないでほしい」など理不尽な要望もあります。
お酒を提供する店舗では、酔客の迷惑行為への対応に悩むケースもあり、こうした精神的な負担が重なり退職するケースがあります。
理由⑦体力がもたないから
体力がもたずに退職するケースもあります。
飲食業の仕事は立ち作業が多く、重い食材や器具を運ぶなど、身体に負担がかかりやすいです。
とくに、長時間労働とスピードが求められるため、体力を消耗しやすく、疲労がたまりがちです。
接客も迅速な対応が必要で、立ちっぱなしで動き続けると、筋肉痛や疲労が慢性化しやすい環境と言えるでしょう。
革靴の着用義務があるレストランなどでは足への負担が増加し、洗い物による手荒れや火傷といったケガのリスクもあります。
こうした過酷な労働環境で体力的に限界を感じる人は、離職を考える要因となります。
関連記事：個人店のミカタjobの特徴と口コミ・評判
飲食店をやめる際の注意点
飲食店をやめる際の注意点は3つあります。
やめる前には必ず注意点の確認をおすすめします。
それぞれみていきましょう。
注意点①退職の2週間前には責任者に意思を伝える
退職の2週間前には責任者に退職する意思を伝えておきます。
労働基準法では、退職を希望する場合、14日前に申し出ればやめられます。
退職の意思を伝える際は、口頭ではなく書面で提出し、提出するのは「退職願」ではなく正式な「退職届」です。
年俸制であったり会社の規定により、2週間前の退職届が受理されない場合もあるため、事前の確認が必要です。
民法627条にも「雇用契約の解約は2週間後に終了する」と明記されているため、基本的には2週間前の申し出で問題ありません。
しかし、退職を引き延ばされるケースもあるため、退職日を決めたら早めに申し出ましょう。
参考文献：厚生労働省
注意点②繁忙期はできるだけ避ける
飲食店で退職する際は、GWや年末年始などの繁忙期は避けるようにします。
忙しい時期は引き継ぎや手続きの対応が難しく、周囲に負担をかける恐れがあります。
繁忙期は1人でも多くのスタッフが必要とされ、退職すると職場全体に影響を与えてしまう可能性が高くなります。
新人スタッフが繁忙期に慣れていない状態で働くケースは難しく、サービスの質が下がるリスクもあるでしょう。
円満に退職するためには、店舗が落ち着いている時期に申し出るのがおすすめです。
繁忙期を避けて退職すると、スタッフや顧客への負担も減らせます。
注意点③明確に退職の意思を告げる
退職意思を報告する際は、明確に退職の意思を告げます。
あいまいに意思を伝えると、引き止められる可能性が高くなるからです。
さらに、退職のタイミングがずれたり、周囲に迷惑をかけたりするリスクがあります。
とくに飲食業界では、慢性的な人手不足から退職が難しくなるケースが多いため、意思表示はしっかり行う必要があります。
やめようか迷っているのではなく、具体的な日付を伝え、職場とのトラブルを回避しましょう。
飲食店をやめたほうがよい人
飲食店をやめたほうがよい人の特徴を紹介します。
4つの特徴に当てはまる場合は、飲食店以外を検討してみましょう。
周囲への迷惑を考えてやめていない人
周囲に迷惑をかけたくないという理由で飲食店をやめられないなら、考えを見直します。
周りへの配慮は大切ですが、自分のキャリアや健康を犠牲にしてまで続けるのは得策ではありません。
飲食業界は常に人手不足で、職場を離れるのが辛い人も多いでしょう。
しかし、そのまま働き続けていても疲労が蓄積し、結果的にパフォーマンスが落ちてしまいます。
結果的に、かえって同僚やお店に迷惑をかけてしまう可能性があります。
自分のためだけでなく、職場のためにも、新しい環境に踏み出す勇気が大切です。
目標がない人
目標がない人は、飲食店をおすすめしません。
目標がない人は仕事に対する情熱やモチベーションを失い、自分の成長や将来のキャリアプランが見えないからです。
目的意識の欠如は良い結果につながらず、努力の方向性を見失ってしまうでしょう。
さらに、仕事へのやりがいを感じられなくなってしまいます。
飲食店で長く働き、キャリアアップを目指すためには、自分の目標を明確にし、それに向かって日々の努力が大切です。
目標を持つと、仕事に対する意欲が高まり、自己実現につながる充実した働き方ができます。
仕事に対する大きなストレスを抱えている人
強いストレスを感じ、生活に支障が出ているなら転職を考えるタイミングかもしれません。たとえば、パワハラで仕事に行くのがつらくなったり、抑うつ状態で何をするにもやる気が出ないといった状況は危険信号です。
また、ストレスによる胃の痛みや不眠、食欲の変化など、身体的な症状が現れている場合も要注意です。
仕事によるストレスは心や体に大きな影響を及ぼし、最悪の場合、心の病に発展する場合もあります。
仕事のストレスが生活全体に悪影響を与えているなら、無理を続けず、自分自身を大切にするために転職を検討してみましょう。
ほかにやりたい仕事がある人
新しくやりたい仕事が見つかったり、他にやりたい仕事が見つかったなら、転職を検討しましょう。
人生の時間は限られているため、興味のある仕事があれば、できるだけ早く行動に移すべきです。
今の飲食店で働き続ける限り、新たな夢や目標に取り組む機会はほとんど訪れないかもしれません。
せっかくやりたい仕事が見つかったのなら、早めに現状から抜け出し、新たな道へ進む決断をします。
新しい挑戦に時間を使うと、自身の成長にもつながります。
飲食店をやめないほうがよい人
飲食店をやめないほうがよい人の特徴を紹介します。
2つの特徴に当てはまる場合は、本当に転職したほうがいいのかもう一度検討してみましょう。
退職後の目標がない人
退職後の目標がない人は、今の仕事をやめないほうがよいでしょう。
目標がないまま退職すると、次のキャリアが見つからず、長期間のブランクや経済的な不安に陥る可能性があります。
とくに、飲食業界は経験が活かしやすい一方、転職先の選択肢が広くないため、退職後の方向性を見失いやすいです。
次に挑戦したい職種やスキルアップの計画がないなら、まずは現職で経験を積みながら、キャリアプランを考えるほうが安心です。
目標をしっかり見定めてから、退職の判断をします。
やめたい理由が収入の低さだけの人
飲食店をやめたい理由が収入の低さだけである場合、すぐにやめるのではなく他の解決策を模索します。
収入は働くうえで大切な要素ですが、飲食業界にはスキルや経験を積み上げると昇給やキャリアアップのチャンスが多く存在します。
やめる前に、今の職場での将来的な昇給の可能性や、スキルアップによる年収アップを目指せるかを再評価しましょう。
とくに、若いうちに新たなスキルを磨いておくと、将来的にもっと良い条件で働ける可能性があります。
収入だけが理由でやめる前に、現在の職場で得られる経験や人脈が、今後のキャリアにどれだけ有益かを考え直しましょう。
関連記事：dodaの特徴と口コミ・評判
飲食業界で労働環境を改善する方法
飲食業界で労働環境を改善する方法は3つあります。
3つの方法を自身の環境に取り入れて改善していきましょう。
規模が大きい飲食店で働く
飲食業界で労働環境を改善したいと考えるなら、規模が大きい飲食店で働きます。
大規模な飲食店では、組織としての経営基盤がしっかりしており、福利厚生や労働条件が整備されている場合が多いです。
残業や休日出勤の管理が厳密になされ、適正な労働時間が守られやすくなります。
とくに、飲食業界で働く人にとって、大きな店舗での経験は将来的なキャリアアップにもつながります。
規模が大きい飲食店で働くと、働き方や労働環境に対する不満を解消しつつ、長期的な視野でキャリアを築けるでしょう。
大規模な企業での経験は、スキルの向上や新しい業務環境への適応能力を高めるための重要なステップとなります。
さまざまな資格を取得する
飲食業界で労働環境をよくするためには、さまざまな資格を取得します。
資格を取得できれば、飲食業界でのキャリアを大きく向上できるからです。
調理師やソムリエ、食品衛生責任者などの資格は、スキルの証明になるだけでなく、就職や昇進のチャンスを広げます。
資格取得により、自分の専門性を高められ、他のスタッフとの差別化が図れ、待遇面の改善も期待できます。
また、資格を持っていると店舗の経営者からも信頼され、業務の幅が広がりやすくなるでしょう。
とくに、将来的に独立を考えている場合、資格は強い武器になります。
スキルアップと労働環境の改善を目指すなら、まずは資格取得に挑戦をおすすめします。
飲食店に特化した転職エージェントに相談する
飲食店をやめたいと感じたら、飲食店に特化した転職エージェントへの相談がおすすめです。
転職エージェントは、自身の希望条件に合った最適な転職先を紹介できます。
さらに、履歴書の作成サポートや模擬面接といった転職活動のサポートもしてくれるため、効率的に転職を進められるでしょう。
飲食店の求人・無料転職支援サービス「itk」では、業界最大級の10,000件以上の求人数を誇ります。
経験豊富なキャリアプランナーによる個別支援や面接サポート、内定後のフォロー、入社後のサポートやサービスが受けられます。
飲食業界での転職を考えるなら、ぜひ「itk」に相談してみてください。
まとめ
本記事では、飲食店をやめたいと考える理由や、やめる際の注意点について紹介しました。
やめたほうがいい人とやめないほうがいい人の特徴、現場での労働環境改善の可能性についても解説しています。
多くの人が飲食店をやめたいと感じる理由には、過酷な労働時間や休暇の少なさが大きく影響しています。
転職を考えている場合は、転職理由を明確にして、次のステップをきちんと準備してから行動に移していきましょう。
